ぼやく賢者
ぼやく、という言葉を初めて知ったのは、小学校三年生の秋。
三十余年も前のことなので、『初めて』というのはあるいは正確ではないかもしれない。ただ、この年の秋(1973年)に『ぼやく』という行為を具体的にイメージできていたことは間違いない。とあるプロ野球選手の名前と切っても切り離せない言葉として紐づけていたはっきりとした記憶がある。
野村克也。
ON全盛の時代が終わろうとする秋、V9巨人の敵役として日本シリーズに登場した南海ホークスの正捕手にして監督、そして四番打者。当時の人気アニメ『侍ジャイアンツ』は、事実に沿ったストーリー展開だったから、そこには当然ONの敵役としてノムさんが登場した。
で、劇中でも「ぼやく」のだ。長島も、王も、アニメの主人公・番場蛮に対しても、もうとにかくひたすらぼやき続ける(という設定だったと思う)。以後、僕の中でのノムさんのイメージとは、とにかく「ぼやく人」となった(年少期のアニメから受ける影響は少なからぬものがあると思う)。まあ、パブリック・イメージだってそうだし、実際、相当にぼやく人であることは事実らしい。
そして、昨日、その野村克也監督の率いる楽天イーグルスがクライマックス・シリーズで敗退した。
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